人生初、英語圏で書籍を出版しました。

配信日:2022年3月8日

先週、人生で初めて、英語圏で英語の書籍を出版しました。去年11月に出版した「ザ・コンセプト/一生使えるコンセプトの教科書」の翻訳版です。これを英語圏諸国のアマゾン(米国、英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、インド、ブラジル、そして日本でも)で販売しました。これも僕のような情報コンテンツを扱う仕事の、コロナ禍・在宅時代での働き方の一つかなと思います。実は、僕が翻訳本を出版するのは2回目ですが、以前は英語を日本語に翻訳したので「日本語らしい日本語にする問題」はなかったのですが、今回は日本語を英語に訳するパターンでしたから、結構、大変でした。当然ですが、グーグル翻訳くらいでは全くダメです。自分で翻訳したものを、ランサーズでアメリカ人プロ翻訳者を探し文章チェックもしてもらいました。こんなこともフリーランス人材に手軽にお願いできる、今的な仕事のやり方だと思います。

THE CONCEPT
THE CONCEPT
THE CONCEPT

もう一つ悩んだのが日本語版(原本)の第三部にある「コンセプトを伝える」です。ビジネスではコンセプトは作ったものの、それを顧客に伝えるのが難しいことがよくあります。そんな時に役立つのが「ネーミング」。日本語版ではこれらも詳しく書きました。ネーミングはコンセプトに興味を持ってもらうトリガーになるものです。例えば「明太子」をSpicy cod roe(辛いマダラの卵)と言っても、欧米人には気味悪がられるのがオチですが、Spicy caviar(スパイシー・キャビア)と言えば興味を持ってくれて「それは何ですか?」とコンセプトを尋ねてくれるというもの。「顧客に質問させる」がコンセプトを伝えるコツです。広告などお金をかけなくても、どんな製品にも名前はあるからこれを上手く使うのです。しかしネーミングにはダジャレや日本語固有のニュアンスが大きく影響します。例えば「ガスピタン」など小林製薬さんの製品名はコンセプトを伝える秀逸なネーミングですが、それを英語で表現するのは極めて困難。特にジョークやダジャレを含むネーミングは文化の下敷きが共有できて初めて意味を成すもので「Fart stops(屁が止まる)」と言っても読者にはなぜ秀逸なネーミングなのか、見当もつかないでしょう。結局、英語版ではネーミングに関するパートをすべて割愛し、その代わりに第一部「コンセプトとは何か」、第二部「コンセプトの作り方」を膨らませ、英語圏でもよく知られるグローバル・ブランドの事例を交えながら全体の章割りを再編しました。

今回の出版はこれまでとは違う体験になりました。最初から英語版を出す前提で去年の出版を企画したこと。つまり日本語版を出す時点で「世界でも通用する切り口(コンセプト)は何か」を考えた。そして普遍的な価値を文化の壁を越えて伝えるにはどうしたら良いかを考えて日本語のコンテンツも仕上げました。更に書籍マーケティングの一環として表紙デザイン・ネーミング・タグライン・帯のキャッチコピーを日本語と英語で表現する前提でどうするかを考えたこと。最後に英語圏のアマゾンや、ランサーズのようなデジタルの仕組みを活用し、効率的に出版に結びつけたこと。まだまだ学んだことはありますが、良い経験だったと思います。

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