この国は何処へ向かうのか?

配信日:2021年9月15日

いま自民党総裁選に世の中の関心は集まっています。次の総理の任期は2021年10月から2024年9月まで。政治家のあいだでは衆議院選挙があるから「世論で人気のある人」になってほしいと思っているようですね。有権者もイメージやブランドで候補者を見ますから、短期的にはそれが勝敗を決する要素かもしれません。ただ昨年からの「日本という国」を見ていると、「何かそれだけではダメなのではないか」という気がします。

いまの日本はプロダクト・ライフサイクルでいうと「成熟後期から衰退期」に入りかけているのではないかと思います。試しに内閣府のデータを使い、過去からのGDPをグラフでまとめてみました。2008年のリーマンショックをきっかけに伸び率は鈍化しており、昨年のコロナ禍で4.6%の減少に転じています。アベノミクスは効果があったかどうか、正直、よくわからない。それにこの1年9ヵ月、日本は随分と諸外国に色々な点で後れをとっていることが明らかになった。それは僕たちの生活実感としても顕在化していて、デジタル、医療、格差、外交・安全保障、自然災害・防災、少子高齢化、育児・介護、労働力・賃金、地域活性化など、思いつくまま挙げても問題は山積みです。もちろんコロナもまだ続いています。もしブランドがこんな状態なら打つ手はリブランディング(リポジショニング)となります。つまりコンセプトから見直し、表現要素や顧客体験もすべて変えていくことが求められます。そういう意味では首相の顔が変わったくらいではとても太刀打ちできる問題ではなく、「この国は何処へ向かうのか」というビジョンやコンセプトを作る構想力が求められます。

いろんな候補者がいろんな政策を掲げているのは見ますが、「そもそも何のためにその政策を掲げているのか」というゴールが良くわからないと感じています。つまりデジタルや医療などの問題は「現象」として見えているものの、その根本にある「病理」がまだよくわからない。現象に手を加えるのは、お遊戯会の「りんごの木」にりんごの絵をぺたぺた貼るようなもので対処療法です。一方、本物の木にリンゴを実らせるには土壌の改良や水、栄養分をしっかり与えることが根本療法です。日本というブランドの根本にある病理は何か。それが色々な問題を顕在化させているのであれば、そこに手を打つことが重要だと思うのです。そしてそれを克服した時、日本は「どんな国」であるのか?ここに晴れてビジョンが掲げられます。候補者のみなさんは病理とビジョンをどう考えているのだろう。僕の素朴な疑問はこれです。

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