正月の目標だって、こうすれば達成できる

配信日:2019年2月6日

あるクライアントさんで業績評価制度の見直しプロジェクトに取り組んでいます。これは人事評価と密接に関連していて、一般には賞与に反映されるものです。営業マンであれば、売上目標の達成度合いによって評価されます。ちなみに私がブランド・マネージャーをやっていた時は「売上達成率+利益達成率」でした。というのも、私は外資にいたので本社は海外にあり、我々のような支社は本社に送金する立場だったからです。そして本社側で税金の処理をしていました。どれほど売上を立てても送金できるものがなければ本社にとって何のうま味もなく、評価もされないという結構な仕組みでした。

売上目標が達成されない原因のいくつかは「目標が高すぎる」「目標があいまい」「やりたくないことが目標にある」などです。最初の2つはよく言われることですが、最後のものはあまり言われないわりに、人間のモチベーションに根差す問題です。要するに、得意じゃないことや好きじゃないことはどうしても敬遠しがちだと。だから本来、何かを目標にする前に「本当にポジティブな気持ちで取り組めるか」を上司共々、自問自答する(そして腹をくくる)必要があるのです。しかしこれをやると、やりたくないという部下も出てくる。「業務としてやってほしい」会社の意図とコンフリクトを起こしてしまう。おそらくこれが「やりたくないことが目標にある」がイマイチ(部下に)知られていない理由でしょう。しかし本当に部下に達成してほしいと思ったら、ここは正直に話し合うべきです。

さて、問題なのはここからです。仮に妥当な目標で具体的、かつ好きなことをやっていても未達成になることがある。これは何かということです。受験生を例に考えるとわかりやすいかもしれない。受験生でいうなら答えは「絶対的な勉強量が不足している」。これが不合格の主な原因。社会人なら「達成のための行動量が足らない」となります。要するに達成に必要な準備・努力をちゃんとやっていない。受験生と社会人、大差のない、似た問題だと思います。

特に両者とも「継続する」が大変に難しい。ダイエットみたいなものです。初日は良いのです。しかし2日目、3日目になるとだんだん自分に甘くなる。そしてダイエット失敗となるのです。こんな経験は誰にでもあるでしょう。同じように正月に「今年はこれをやる」と決めても、ちょうど今くらい(2月)にもなると、もはやその取り組みはおろか、目標を決めたこと自体も忘れている。たいていの人がそうです。それほど継続するというのは難しいし、恥ずかしながら意志の弱さもある程度、想定内なのです。

ではどうするか?私は「誰かとバディを組んで毎日の行動をレビューする」方法を提案しています。ちょうどダイエット・インストラクターをつけるように、「今日は何を食べた」「今日は何キロ走った」などを一々報告しながら自己管理する。時にはインストラクターから叱咤激励されながらゴールに向かって確実に毎日を管理する。経営的な言い方をすると「毎日、PDCAを廻す」「そして明日はまた元の作戦行動に戻る」のです。正月の目標なら3ヶ月こうやって取り組む。すると軽々達成です。そのためには意図的にインストラクターやバディを置くことが大事。すると不思議と継続することが楽しくなってきます。売上目標のような身近でルーティンなものだけでなく、「将来、こんな事業を成功させたい」とか「こんな仕事で独立したい」など人生をかけた目標だって、こうやって成し遂げればよいのです。そのためには一人の意志の力で頑張ろうとせず、バディのような「仕組み」で取り組むのです。

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