新元号とネーミング

配信日:2019年1月9日

新元号は4月1日に公表されるようですね。今回は天皇陛下の譲位があっての新元号なので昭和から平成になった時よりも時間的な余裕をもって決められるのでしょうか。それともやはり時間のないなかでスケジュールに追われるのでしょうか。

個人的には後者のように思います。SNSなどウェブ上での新元号案や「決め方の法則」などを見ていると、委員会は相当やりにくいなかでイタチごっこをしているのではないか。というのも、ウェブなどで喧伝され、ウワサとして広まっているものは「俗用された案」として除外されることになっているからです。そもそも2018年11月に発表されるはずだったのに、何の理由もなく見送られ、年始最初のニュースで4月1日になったと知らされました。これはウェブ時代のやりにくさのせいではないかと疑ってしまいます。

さて新元号のネーミングですが、いくつか条件があるようです。「読みやすい」「書きやすい」「良い意味を持つ」「俗用されていない(オリジナリティがあること)」。あとは「漢字2文字」とか「過去に使われていない」などでしょう。特に「読みやすく書きやすい」「オリジナリティがある」などは製品開発で行うネーミングと同じです。ネーミングというのはブランド認知を高める「最初の入り口」になるものです。「読みやすくて覚えやすい」ネーミングであればあるほど、消費者の記憶に定着します。ひとは頭のなかにないものを欲しいと思うことはできないので、覚えやすいというのは実に大事な要素なのです。

マーケティングで「良い意味を持つ」とは「ベネフィットを感じさせるネーミング」ですが、元号で難しいのはここではないでしょうか。一体全体、何が国民にとって良いことなのか。これは今という時代のニーズもあるし、これから数十年先の未来に渡る希望、ニーズでもあるからです。その時代の国民が持つ「美しい価値観」といっても良いでしょう。

おそらく「平和」「豊かさ」など普遍的なものになる可能性が高いのでしょうけれど、民意に潜む時代感覚のようなものが反映されていることも大事かと思います。そういう意味では中国の史書に出てくる漢字2文字を並べて検討するにせよ、その良否のクライテリアでもあるわけです。そして何を(どんな価値観を)クライテリアとするかは有識者チームの生活者的センスや将来を描くビジョナリティによるのだと思います。

年始に新元号を考えるゲームをやってみました。そのなかで出てきたクライテリアはいくつかあって、例えば「平和」というのは、今の時代を鑑みて、あらためて出てきたキーワードでした。「エコロジー」や「環境」、「サスティナビリティ」などもそうです。さらに長寿大国なので「健やかである」こと。また世界的に資本主義の限界が見え隠れし二極化が極端になる中で、あらためて「分け与える」も大事かと思いました。そのようなことをベースにいくつか新元号案を考えました。それが何かはここでは控えますが、4月1日が楽しみです。

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