サーキュラーエコノミーと企業の評判

配信日:2022年2月2日

この1月より「廃棄禁止及びサーキュラーエコノミーに関する法律」がフランスで施行されました。『生鮮食品や新聞・雑誌のプラスチック包装の禁止や再利用を支援するパブリック・ファンドの創設が定められたほか、商品が与える環境への影響を明示する表示義務や食品以外の売れ残り品の廃棄を原則として禁止すること定めている。違反した場合は1万5000ユーロ(約195万円)の罰金が科される(Yahooニュース。1月26日)』。サーキュラーエコノミー。サーキュラーとは「循環」の意味で、自然や環境に負担を掛けず、いまある資源を無駄なく使い続ける経済モデルです。この法律によると今後は「売れ残りを廃棄する」ことに社会の厳しい目が行くことになりそうですね。特にアパレル業界に大きな影響があるようです。昔から需要予測と生産計画は難しい課題だけれど、いまはどうなのだろう。今回の法律は日本のものではないけれど、日本でもサーキュラーエコノミーの関心は高まっているし、環境問題という点では他人事ではない。

アパレルというと、僕にはセール処分のイメージが強いのです。シーズンごとに大量の商品を投入して、売れ残りをセールで処分する。実質、セールで売上を作るのが常態化しているイメージでしょうか。これは日本もフランスも同じではないか。かつてはそれでも良かったのでしょうが、2020年、コロナ禍で閉店する店が増えるとセール処分の場所すらなくなり、レナウンは2020年、廃業してしまいましたね。大量生産、大量セールは必然的に収益の悪化を生む。レナウンの経営問題はもっと別のところにもあったようですが、コロナのような突然の環境変化に長年のセール主体の商習慣を変えることは難しかったのも事実でしょう。

日本でも進んでいる企業はサーキュラーエコノミーに前向きです。身近なところではLoopのネット通販でしょうか。容器を入手して「中身」をリパックしてもらうサービスです。廃棄物問題に取り組むテラサイクル(米国)とグローバル企業が連携して2019年に開始したサービスで、日本でも味の素や資生堂が取り組んでいます。他にもユニリーバと花王が東大和市で行っている社会実験も興味深い。食器洗剤やシャンプーボトルのリサイクル回収です。それによって今後はリサイクルボトルで製品化を進める。シャンプーボトルは自治体によって回収方法がバラバラです。しかも大半が焼却処分されています。この社会実験は企業と自治体、市民が一体になってプラスチック問題に取り組んでいると言えます。このような取り組みは社会のためになると同時に企業の評判も高めます。それによって今の競争状態、シェアをひっくり返すところも出てくるでしょう。

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