ワクチン自給率

配信日:2021年4月14日

今週からワクチン接種が一般にも始まりました。まずは65歳以上の3600万人を優先的に行い、その後、若い世代も順次接種することになるようですね。世界的に接種状況を見ると米国と中国、そしてイスラエルと英国が先行していて日本は後手になっているように思われます。もっとも生産能力含め数に限りのあるものであれば優先順位を付けるのは当然で、日本の感染状況を鑑みれば後回しにされるのも仕方ないかもしれません。そこで「各国の累積感染者数」と「接種回数」の世界シェアをそれぞれ比べてみました。

対象とした国は米国、中国、英国、イスラエル、日本です。世界の累積感染者数は136,468,706人。そのうち米国の感染者数シェアは22.9%、同じく中国(0.07%)、英国(3.2%)、イスラエル(0.6%)、日本(0.37%)となります。一方、昨年12月からの世界の累積接種回数は711,004,051回で、同様に世界シェアは米国(24.1%)、中国(20.9%)、英国(5.3%)、イスラエル(1.43%)、日本(0.21%)となります。これは日経新聞「チャートで見るコロナワクチン世界の接種状況は/2021年4月12日」と「新型コロナウィルス感染世界マップ/2021年4月13日」から計算しました。この状況をみると米国は感染者シェアと接種回数シェアに近しいものがあり、ワクチンの分配は妥当だと言えそうです。逆に中国の感染者シェアは日本よりずっと低いにもかかわらず、接種シェアは米国に続くレベルです。ワクチンが今後のグローバル経済を左右すると予感させます。英国はおそらく2回目の接種も順調に進んでいるのでしょう。興味深いのはイスラエルです。彼らは最も早く接種を開始した国ですが、何故それが可能だったのか。そして日本は0.37対0.21。もし感染者数に応じてメーカーが優先順位をつけたとしても、やはり後手に回っていると思われます。

イスラエルは何故、12月から接種を開始できたのか?一説には安全性の検証が不十分だったワクチンの医療データを、ファイザーに提供する見返りに大量のワクチンを入手したと言われています。当然、ユダヤ人脈も絡んでいるでしょう。英国はアストラゼネカ製、つまり国産のワクチンをオックスフォード大学と一緒に開発してきた経緯があり、結果、自国内での流通に成功した。中国や米国もそうですが「自給自足」「国産」を持つ国は強い。食料自給率と同じように「ワクチン自給率」は国の自立度・安定度を見通す重要な指標になったと言えるかもしれません。

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