実際にオンライン商談を受けてみた。
配信日:2020年9月9日
オンラインでの営業活動が一般的になり、その対策を講じている会社も多いと思います。僕のところにもオンライン営業の相談が来ています。僕自身も初対面のお客さんとオンラインで話すことが多く、またセッションや相談もオンラインに100%移行しているので、クライアントさんの悩みや困りごとの詳細はよくわかります。問題は「ではクライアント営業担当は、実際にどんな商談しているか」が分からないことです。もちろん口頭では訊きますが、実際にどの程度、上手くやれているかは掴むことが出来ません。
そこで、僕は「問い合わせ客」を装って、実際にクライアントさんの営業を受けてみました。いわゆる「ミステリーショッパー」です。これは良かった。お客の立場で接すると、実際にどのようなコミュニケーションがなされているかが良く分り、後日、自信を持って改善点や解決策を示すことが出来ました。同時に、これはオンライン商談の学習方法としても素晴らしいと実感しました。なにより仕事以上に僕自身の勉強になります。もっといろいろな会社のオンライン営業を受けてみよう。やがて僕の目標は「オンライン営業のスキルを磨く」ことになりました。
SNSでは多くの広告が流れてきます。そのなかには僕のような経営者をターゲットとしたB2B向けのビジネスをやっているものも多い。特に最近ではマーケティング、HR、財務・会計などSaaSのサービスを提供しているところが多く、1カ月のうちに「これは」と思える4社ほどと面談しました。彼らは毎日のように僕のようなリード(見込み客)と話をしているのだから、やはり話すことには相当慣れていました。そして、やはり内容が重要でした。ここは上手いところとそうじゃないところと、それぞれあって、ここにオンライン商談の真髄を見る思いでした。
上手い商談に共通していたのは「Nice to have(あったらいいね)」の提案ではなく「Must have(これは必要だね)」と納得させられる提案でした。たいていはこちらの「しばらく未解決になっている課題」をあぶり出す質問がしっかりされて、こちらの納得を高めた上で「当社のこのサービスが必要ですね」という流れで構成されています。つまりムダ話やお客の様子を察するようなコミュニケーションが非常に難しいなか「本当に必要なものこそオンラインでは訴求されるべき」だったのです。これは通常の商談と同様に感じますが、オンラインというコミュニケーション濃度や自由度が限られた状態では「強調してもし過ぎることはない」と思います。逆に言うと、それ以外の会話や資料はたいして重要ではない。お客さんの本質に関する話が出来て、それを解決する必要性を訴える力が大事だったのです。