在宅勤務と「夢」の話
配信日:2020年7月29日
在宅勤務の割合がまた増えてきているようですね。会社によっては全日、在宅もOK。またオフィスのある土地に限らず好きな土地に住んでリモートで働くのもOK。ワーク・ライフバランスを重視するひとにとっては、ある意味、夢が叶ったような時代になったかもしれませんね。経営者は大変だけれども、従業員はそれまでのようなストレスも不要な付き合いも減り、おそらく在宅勤務時の労働も、オフィスに行っていた時より、より人間らしい生活に近くなったのではないでしょうか。特に若い人たち、ミレニアル世代はワーク・ライフバランスをとても重視する傾向があるので尚更だと思います。
「仕事も生活もバランスよく生きたい」。人によってはこんな夢が突然、叶ってしまったわけですが、それまでの働き方は会社偏重でつらいものだったかもしれません。仕事も生活もバランスよく生きたいという「夢」が現実の生活をつらくしていたと思うのです。つまり夢をかなえていない自分に「自己否定の念」が出てくることがある。叶っていない夢(目標)に向かって努力しなければならないとか、どうして叶わないのかという苛立ちがしんどさの正体です。しかしそんなひとも、多くはこれまでも理想的な働き方/夢をかなえてきたのではないかと思います。例えば「出張」というのは業務であり旅行の楽しみも味わえるワーク・ライフバランスのよい仕事だったのではないか。でも、なかなかそういう見方ができない、またはそれが終わると夢が叶っていたことを忘れてしまっていた。
仕事や働き方に限らず、フラットに見ると、誰でも夢はかなってきたことが多いと思います。パチンコ店に行列をつくる人たちを見ると、もっと客観的にこれがわかる。彼らの多くはパチプロで一日中、台の前に座って儲けよう、勝とうと思っている。彼らの夢は「遊んで毎日を暮らせるようになること」です。しかし僕の目には、「すでに長いこと毎日を遊んで暮らしている」と映ります。夢はすでにかなっているのです。しかしおそらくそれが実感できない。
夢というのは「まだ叶っていないこと」「未来」にフォーカスしがちです。しかしそうするとつらくなる。本当は、これまで「叶ってきた事実」や「過去」が見えていないとしたら、それを認識するだけでも自己否定の念が出なくなり、どれほど救われるかと思います。毎日叶っていること、僕の場合は「健康に過ごせる」や「夕方にビールが飲める」にフォーカスしたら、夢は毎日叶っていると嬉しくなります。些細なことだけれど、「昨日は楽しかったな」の一言が大事だと思います。