コロナから日常に戻り始めています
配信日:2020年6月10日
全国的に緊急事態宣言も解除され「日常」が戻りつつあるのを感じています。東京はまだまだ感染拡大に注意を払いながら過ごしているような状況ですが、一時期の業務が停滞・ストップの状況からは脱していると感じます。いくつかのクライアントさんでは在宅一辺倒からオフィス業務も復活してきています。もちろん、コロナを軸にいまの仕事をどうするかを考えることは続いているのですが、単なるコロナ対策から「今後の経済活動の質を変化させる」という取組みが増えているように思います。つまりコロナのあるなしにかかわらず、「今後はこんな働き方をするのがいいのではないか」に思いを巡らし始めています。
コロナでよく言われていたキーワードといえば「不要不急」「ソーシャルディスタンス(三密を避ける)」「在宅勤務」。これらは毎日のようにネットやテレビで言われ続けただけに、僕たちの深層心理に刷り込まれていて、おそらくコロナ終息後もライフスタイルとして残り続けると思います。例えば緊急事態宣言が解除された後、以前のように満員電車が復活した事態に違和感を覚えたひとは多いでしょう。おそらく感染リスクと同時に「旧態依然とした仕事観」にうんざりしたからです。
企業活動のみならず、例えば今回の持続化給付金委託事業の流れにもうんざり感があります。あれは要するに電通への丸投げで、サービスデザイン推進協議会というのは単なる中抜き業者です。ここにも旧態依然とした仕事のやり方が伺われます。「電通のような大手広告代理店なら面倒なことを丸投げできる」「丸投げした時点で自分の仕事は終わり」という感覚。国に限らず大手企業もそんな仕事をしてきました。企業のマーケ担当者が本来自分でやるべき仕事を丸投げするならまだわかる。恥ずかしいけれど。しかし今回の場合、何故、電通なのかはよくわかりません。関連会社だとか出向だとか、いろいろと言われてはいるけれど、そもそも電通は広告会社であって給付金を配る機能はない。おそらく丸投げされた電通側の現場担当者も困惑していると思います。丸投げが広告会社でなくNTT docomoやソフトバンクのような携帯キャリア会社にならまだわかる。携帯はひろく国民に浸透しているし、通話料金の引き落としを通じて顧客の銀行口座も把握しているからです。携帯を一人で2台持っているとかのダブりはあるでしょうが、おそらくそれほど苦労なく仕分けして、迅速に正確に給付金を届けることが出来ると思う。仕事がうまく進むイメージが持てるというものです。
世の中が日常を取り戻すにしたがって、今後はこれまでの仕事のやり方に違和感を覚えることが多くなるのではないでしょうか。つまり価値観が変わったことでビジネスの質も変わっていく。おそらく今が過渡期で、コロナ対策のような「コロナがこうだからこうする」を考えるステージから、「コロナはともかく、ビジネスや経済活動の質を向上させる」を考えるステージに移ってきているように思います。企業だけでなく国もそうだと思います。明らかに出遅れていると誰もが感じたと思います。安易に過去の旧態依然としたやり方に戻ることを考えず、いま知恵を出して実行に移す組織が、今後もっと伸びる可能性を秘めていると思います。