アフター・コロナのマネジメント①/生活者
配信日:2020年3月4日
全国の小中高休校を受けて、大変なご苦労をされている方、本当にお疲れ様です。また経営のかじ取りをする立場にある方々、難しい意思決定を毎日のようにされて、本当にご苦労様です。また自宅勤務をされている方々、慣れない働き方にストレスも多いかもしれません。こちらもご苦労様です。
晴耕雨読という言葉がありますが、いま世の中は縮小傾向にあり、文字通り「雨」です。こんな時は、目の前の混乱や激流はあるものの、一方で冷静になって「次の一手」を考える時とも言えます。そこで今回から連日、5日間(土日を抜いて来週火曜まで)にわたり「特別企画:アフター・コロナのマネジメント」と題して、コロナ終息後の世界について想像してみたいと思います。みなさんの将来ビジョンの参考になれば嬉しいです。
コロナが終息した後、人々の生活意識や行動はどう変わるだろうか。まずはここから考えてみましょう。僕が思いつくものを片っ端から挙げていくと次のようなかんじです。「健康志向は更に高まる。その目的は免疫力である」「病院に行くのを避けるようになる。病気にならない生活を心がける」「健康志向に加えて住環境、食環境での清潔志向も顕在化する」「オンライン、リモートでのコミュニケーションがリアルよりも主流になる」「むしろリアルで会うことを手間に感じるひとが増える(リモートで事足りると学んだ)」「家庭=職場のひとが増え、ひとに合わない日が増える」「人と対面で会うことが少なくなるので、ファッションやメイクのトレンドも変わる」「メイクはPC越しに見栄えの良いものが好まれる」「外食は減る。飲み会も減る。一方でケータリングは増える」「外出や旅行はしばらく控える」「家庭内での生活が中心になり、行動範囲も狭くなる」「家事や育児をする男性が増える。仕事に打ち込む子育て女性が増える」「ひとによっては気分が落ち込みやすく、疲れやすくなる。集中力も落ちるかもしれない」「仕事やママ友など家庭外の人間関係が希薄になる」「家庭内の人間関係が濃くなることで、良好な関係になったりストレスが増えたりする」「ネットを見る時間が増える」「フェイクニュースが増えたことでネット情報への不信感が高まる」「同時に情報リテラシーが高まる」・・・。
いろいろ良いものも悪いものもありますが、僕のなかでのキーワードは「人間関係」です。いまの強制的なリモート環境で洗礼を受けて、家庭内でも家庭外でも人間関係が変わる。家庭内では家族がかつてない団らんを手に入れることもあれば、よく定年退職した男性が奥さんにぬれ落ち葉みたいな言われ方をされるように、要らぬストレスを持ち込むこともあるでしょう。家庭外では、一言で言うと「つきあい」がなくなる(少なくなる)。仕事でもママ友でも学校の先生でもダンナの親でも、要するに会う必要がないのに会わなければならなかった関係が希薄になるということです。
これは考えようによっては「他人の目や世間体という価値観」が薄れ、「自分らしく自由に生きる価値観」が増える結果になるのではないでしょうか。楽観的すぎるかもしれないですが、誰にとってもこれまでより気楽で生きやすい時代になると思います。同時に「自分について考える時間が増える」とも言えるでしょう。他人や世間の評価ではなく、自分の自分評が何よりも重要になる。そんな時代がそこまで来ているのではないでしょうか。