家業を継ぐ二代目経営者が直面すること

配信日:2016年10月12日

私の実家はもともと商売をしていて、本来であれば長男の私が継ぐはずでした。しかし私が大学生の頃に父が仕事を辞めたことで、家業を継ぐこともなく、いま私はまったく別の仕事をしています。

私はそれでよかったと思います。継いでも良いし継がなくても良い。父も仕事を続けても良かったし、続けなくても良かった。目の前に二つの道が左右に分かれている時、そこでどちらに進むかは真剣に考えたほうが良いですが、進んだ後は別の道を選ばなかったことを後悔しない。選んだ道で成功することを考えれば良いのです。

世襲、または二代目経営者というのは大変です。私の周りを見ていてもそうですが、大抵は学校を卒業して3年から5年くらい外の会社で修業を積む。その後に家業に戻る。まずは現場のヒラから始め、比較的短期間に専務や取締役となり、やがて父親の仕事を引き継いで社長になります。

それで何が大変かというと、先代の存在以上に「先代が雇った幹部たち」が厄介なのです。彼らは二代目経営者のあなたに「良かれ」と思ってここでの仕事を教えようとします。あなたは最初、それを従順に聞くでしょう。しかしやがて「これではオヤジの時と同じやり方だ」と気づき、やがて自分のやり方を提案していきます。しかし旧い幹部たちはそれに反論する。良かれと思って「違う」と諭そうとする。または反対する。彼らにもこれまでやってきた自負があるからです。そんな軋轢があるものです。

マキアヴェッリの理論によると「世襲の君主国では君主は父祖から受け継いだ慣習をおろそかにせず、しかも不測の事態が起きれば、時間をかけて解決すればよい」となりますが、変革を望む若い君主(二代目)にとって、それでは物足らないでしょう。

このようななかで、二代目がやることは「自分で雇った腹心を早く持つこと。彼らを信頼し、一緒に仕事で成果を出していくこと」に他なりません。しかしそのような教育もアドバイスもなく、そのやり方もプロセスも知らず、現場で「気づく」しかないのです。時には創業者である父も二代目の気持ちを理解できず、創業経営者の経営論をもってアドバイスします。

興味深いのは、このような状況を知らずに、家業に戻るひとがほとんどだということです。実は、私の昔ながらの友人もそんな状況のなかで20年ほど前に二代目経営者として戻り、このような状況に直面し、悩みながらも経営を続けてきた一人です。そんな彼が最近、世の二代目経営者へのアドバイスを始めました。もし二代目経営者(または現在サラリーマンをしていて今後、二代目になる方)で話を聞きたいという方は連絡してみてはどうでしょうか?非常に良いサービスだと思うので紹介します。実践的なアドバイスがもらえると思います。
http://www.starting-npa.biz/

(スターティング社 Next President Adviser)

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