自律型人材とはOJTで作り出せるものだろうか?
配信日:2016年08月17日
日頃、一緒に仕事をするブランド・マネージャーやプロジェクト・リーダーの方々は基本的にセルフスターター型の人材です。つまり自分で課題を設定してその解決に取り組むタイプの人たちです。別の言葉では「自律型人材」と言います。
よく、自律型人材が欲しい、という声を聞きます。人事系の方からも聞きますし、経営者クラスからも聞きます。私の見たところ、自律的に動く社員は全体の10%もいればいいほうだろうと思います。多くの社員は業務の責任者としての自覚はあるものの、自律的にPDCAを回すよりは、上司からの指示をキチッとやるように教育されています。(自律型人材はそれにプラス、自分のビジョンを持って動く)
自律型人材というのはOJTでどうにか作り出せるものだろうか?
もちろん、どの会社もそのような機会を意図的につくり人材の育成に務めてはいます。しかしながら、ごく日常的な仕事では上司自身が「俺の言う通りにきちっとやってくれたほうがよい」と考えていることも往々にしてあり、悪く言うと自律型人材とは「好き勝手やる人材」と映ることもないとは言えません。
そのような偏見にもかかわらず、自律的に課題設定し前に向かって進むのが自律型、セルフスターターの人たちでして、これはもうDNAがそうなっているとしか思えない節もあります。よって、このような人たちには意図的なプログラムは不要。またどのような部署でどのような仕事をしていようと、そのように仕事をするのがごく当たり前のようになっているわけです。
組織の階層を上り詰めたサラリーマン社長の多くはそういうタイプの人たちですし、ブランド・マネージャーもまたこのタイプだとうまく行きます。私の見立てでは、典型的なブランド・マネージャーは次のような資質を持っているようです。①我が強い(リーダーシップ)、②ビジネスのオーナーシップ・マインドが強い、③仕事の優先順位づけが上手い・早い、④仕事の枠を超えて事業や製品自体に強い興味を持っている(オタク的)、⑤地頭が良い。
この人たちは、時に敵も作るし後ろから刺されることもあります。洒落にもなりませんが、結果を出すことも事実です。ですからマーケティング・カンパニーでは、やはりブランド・マネージャー経験者(事業経験者)が経営者になる確率は高く、グローバル・カンパニーでは意図的に幹部候補生を子会社の社長にして、売上利益責任を求められるガラス張りの環境に放り込み、強制的に経営体験を積ませるのです。これが自律型人材を更に磨き上げるプロセスかと思います。