配信日:2015年10月21日
昨日、PR会社の方と「ブランドのレピュテーション(評判)を測る方法」について話していました。「世間の評判」はブランドそのものとも思われます。ブランドは評判から生まれ、更なる評判を生みます。
考えてみれば、これまで調査のなかで色々な指標を使ってきましたが、「評判」というモノサシを数値化したものはなく、今後の新しいブランド評価の方法になると思いました。
そもそも顧客がモノを買う理由というのはブラックボックスに包まれていて、そのメカニズムを解明するのは容易ではなかった現実があります。そのブラックボックスの一つに評判もあり、それがどのように売上に影響するかはなかなか可視化できなかったわけです。
しかし現代のようなソーシャルの時代になり、評判はかつてないほど明確にあぶり出すことができるようになってきたと思われます。そこには拡散という機能があり、かつ最近では拡散のルートを特定することも可能になり、そのようななかで売上はコンバージョンの数字を見れば相関性を想像することが可能になりました。事実、海外ではそのようなモデルを扱うマーケティング会社もあり、近々、日本でも利用できるようになります。
一方で悩ましいのは、ブランド全体の売上というと、評判以外の要素も当然、影響していることです。このモデルでもそこは依然、ブラックボックスです。いや、ソーシャルな環境ですら「やり方」が影響します。例えば、動画を使うか、どんな動画を使うか、それを週末に出すのかウィークディに出すのか・・・。その時点で評判そのものが「売上の原因」である以前に、それらの「結果」になってしまいます。まるでロシアの人形のようなもので大きい人形のなかに小さな人形が複層的に存在するごとく、売上という人形のなかに評判という小さな人形があり、そのなかに更に小さな人形もあるようです。
マーケターはそれらを一つずつ検証しながら、ブランドに最も影響のある要因を特定しマネジメントをするわけです。そのために調査も行い、実験も行い、学習しながら前進することが求められます。根気のいる仕事ではあります。(苦笑)