「論理の外側」という世界

配信日:2014年8月13日

私たちが仕事をする上で「論理的思考(ロジカル・シンキング)」は重要なスキルだと思います。これが出来ると「問題を整理し理解する」や「他人に物事を効率的に伝える」「物事を正しく推論する」などが可能になります。論理的思考とは「理性による合理的な思考」と私は定義しています。キャリアのある時期、特にプロジェクトを任されたり、部下を持つ時期に、このスキルは磨かれることが多いでしょう。

一方で「論理の外側」と呼んでいる世界があるのも事実です。論理的思考力を高めていくと、やがて「論理的思考では解決できない問題」があることに気付くと思います。これが「論理の外側」です。そのような時、「直観力」について考えることが多くなります。「インスピレーション」または「閃き(セレンディピティ)」と言っても良いでしょう。

人間は遅かれ早かれ、誰であってもいつかは直観について考えるようになるのではないかと思います。特に人生が理屈や論理ではあまりうまく行かない時に「何故、このようなことばかり起こるのか」ということを考え始めるように思います。おそらく直観は「人間の霊性」のひとつで、肉体や精神性のレベルを超えて、本来の自分を見つめる時がくると思います。

論理の外側をじっと観察すると、世の中で起こる物事は非常に多くの側面・要因・原因があり、実際には「矛盾」や「二つ以上の真実」を認めるようになります。そして理屈を超えた「外側」にこそ、より多くの真実があるようにも思います。これに気付くために「論理的思考の限界」が目の前に現れるのではないでしょうか。そのような時、私たちは直観に頼って意思決定するようになります。

私は「そもそも人間とは直観的な生き物だ」と今では思っています。しかしサラリーマンの頃はそうではありませんでした。「世の中、理屈ばかりじゃないよ」などという人は相手にしませんでしたし、どんなことでも理屈を抜きにして語るべきではないとすら考えていました。ビジネスでは尚更でした。随分、気難しい人間のように思います。その通りでした。しかし独立してから「これでは解決できないことがある」ことに気づきました。

直観というのは、ありがたいことにすべての人に元々備わっているものです。要はそれを信じて使うかどうかの問題です。例えば何かの問題がある時に、ぱっと本を開いてみる。するとそこにヒントや答えそのものが出ていることも少なくありません。または壁のポスターに目を移す。同様に答えやヒントがあるかもしれません。

論理の外側に対処するには、こちらも論理の外側的な手段(直観)でいくのが良いのでしょう。心の中で「こんな問題を抱えています」と念じ、意識をそこに向けると必要な情報がおのずと飛び込んでくるようです。


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