コンテスト形式で登録者から解決策やアイデアを募る仕組み

配信日:2014年6月4日

6月からあるLEDの会社の取締役を務めることになりました。もちろん、コンサルタントの仕事も続けます。もともと私は具体的な課題を前に、実務レベルでクライアントさんとブランド・セッション、経営アドバイスをするタイプのコンサルタントなので、実際の経営に当たる役員の仕事も喜んで受けました。本領発揮です。

準備などもあり、5月から仕事は始まっているのですが、最近の会社環境はじつに便利です。この会社でもクラウドとソーシャルメディアを使って会議や意見交換、ホウレンソウを行うので、リアル・ミーティングは週に1時間程度で仕事がどんどん進んでいきます。

ノマド・ワーカーは言うに及ばず、会社員ですら、もはやオフィスも必要ないかもしれません。いまのようにどこでもネットにつながることが出来て、座る場所さえあればスカイプで会議をすることも可能です。私もコンサルティングでは、遠方のクライアントさんとはスカイプを使います。自宅にいながら仕事ができますし、移動の時間も省けるので、むしろ近くにすら感じます。昼中のオフィスアワーである必要もないですし、海外にいようと関係ありません。本当に便利です。

このような環境はブランディングにも影響を与えています。最近のブランディングのキーワードは2つあります。ひとつは「グローバル」もう一つは「ウェブ」です。この2つは密接に絡み合っていて、それによって私たちが良く知っているクラシカルなブランディング手法が変わりつつあります。

ブランディングの最近の深刻な課題はグローバル市場での消費者インサイトの難しさ、またグローバル・レベルでのクリエイティブ開発の限界でしょう。またグローバルのみならず、国内の消費者のライフスタイルが多様化していることも指摘できます。要は国内・海外市場を問わず、いかに的確に消費者インサイトを捉えたコミュニケーション活動を行うかが、企業にとって大きな課題となっています。これに対し従来の調査・分析・クリエイティブアイディアの立案というやり方では「時間がかかる」「消費者の本音を引き出せない」などの問題がありました。

しかし、これを解決する仕組みがあります。eYeka(アイカ)というフランスのブランディング・プラットフォームです。2006年にスタートしたアイカは、世界94カ国20万人以上のクリエイティブ・コンシューマー(一般消費者のうちのプロ・アマチュアクリエイター層)が登録するオンラインコミュニティです。企業(クライアント)がアイカ上で課題を提示し、コンテスト形式で登録者からアイデアや解決策を募る仕組みで、消費者を巻き込んで商品やサービスの開発プロセスを「共創(コ・クリエーション)」するという、新たな発想に基づいています。すでにコカ・コーラ、ユニリーバ、ダノン、マイクロソフトなど100以上の企業が使っています。つまり「グローバル・レベル」の知恵やアイデアを「ウェブ」という仕組みを使ってブランディングに活かすことが出来る時代なのですね。

私が初めてアイカを知ったのは去年の夏です。そして「これはこれまでの職人芸的なブランディングの概念を変えるプラットフォームだ」と思いました。何もグローバル・ブランディングに限りません。国内のブランディングであろうと、本当の意味で「ブランディングのディレクションをしていくスキル」が求められます。そして必要と思われるクライアントさんに推奨してきました。そのようなケースを使って、近いうちに、アイカをテーマにした最新のブランディング本を書きたいと考えています。

年別バックナンバー

資料請求・ご相談はこちら ▶

bmwin

『ブランド戦略をゼロベースで見直す!』
ご相談、お問い合わせはこちらから▶