配信日:2014年1月1日
年末に友人が書いた本を読みました。
江上隆夫さん。江上さんとは(財)ブランド・マネージャー認定協会で知り合いました。広告クリエイティブの制作をお仕事にされています。もう5年くらいのお付き合いになります。
本のタイトルは、まだはっきりしません。実は今年の春に出版されるのです。私は勝手に「コンセプト本」と呼んでいます。そう、この本はコンセプトについて詳細に説明した実務書です。江上さんは出版される前の生原稿を私に見せてくれました。本当はもっと早く読んで感想をいうべきだったと思います。日々の忙しさにかまけて、とうとう年末まで引きずってしまいました。
PDFで頂いたその原稿は、江上さんの著者としての素晴らしい才能が表現されたものでした。コンセプトについて、これほどまでに迫力のある説明がされた書を、私はみたことがありません。「著者の力量はすべて一冊目に集約される」と言われています。本当にそうだなぁと思いました。江上さんの読者に対する真剣さが伝わってきました。
考えてみれば、去年は私の周囲では本を出版する人が相次ぎました。彼らは全員、初めて出版される「著者デビュー」の方々です。企画の段階から関わってきて、私が思うのは、どの方も本当に真剣に取り組まれたということです。そして、この「真剣にやる」ということの価値を再認識する機会でもありました。
真剣にやる。なにごとも真剣に取り組む。
処世術やテクニックではありません。この小学生の時に習ったようなことこそ、ビジネスでも人生でも、なにごとにおいても大事なことだと思います。
コンサルタントをやっていて、色々な人から相談をされます。私はどんな方の相談も手抜きはしません。真剣に聞きますし、真剣に応対します。しかし、人によっては1回のセッションで効果を出す方がいらっしゃれば、なかなか成果を出せない方もいます。
一体、どこが違うのか。私は不思議でした。そして1回のセッションで成果をポンっと出してしまう人には共通点がありました。それは「スピード感を持って実行する」ことでした。本当に速いのです。次のセッションにはもう結果を報告してくれたり、すぐに進捗をメールで知らせてくださいます。この人達は言い訳をしません。いますぐ本当に変わりたいと思って、本当にその日のうちに実行した人たちでした。
そして、この人たちは「真剣に取り組む」ことを真剣にやった人たちでもあります。呆れるほど愚直に、まっすぐに取り組むのです。アドバイスに素直に納得してくださり、そしてすぐさま動くのです。そんな時、私は嬉しさと同時にアドバイスをするものとしての責任も感じます。
真剣に取り組む人に対して、周囲の人たちは声援を送ってくれるようです。周囲の人たちがその人を助け始めるのです。協力者になってくれます。そこから状況が好転していくのです。人間は「一生懸命、真剣に取り組んでいる人を応援せずにはいられない」のかもしれません。
そして本人も、そのような状況を見て「変わり始めた」ことに気付き、その勢いを増していくのです。やがて精神が入れ替わり、先入観も取り払われ、真剣に取り組むことが普通の状態になり、さらに成果が出るという好循環に乗ります。
クライアントの課題に真剣に取り組む。コンサルティング・セッションにおいて、私自身、これまでもそうしてきたと自負しています。今年もそれを継続していくつもりです。