私は笑ってしまうくらい、Mさんと喜びました。

配信日:2013年7月29日

仕事を成功させる秘訣とは何だろうか?
こんな素朴な問いを自分にしてみるのも悪くありません。私は最近、その答えをひとつ見つけました。しかも聞いた人は、ちょっと拍子抜けしてしまうような、簡単なことです。

あるお菓子屋さんの話。
このお菓子屋さんは代々続く老舗で、地元の銘菓を作って自店舗で販売するご商売です。お客様は主に観光客。その土地に観光に来た人に地元の伝統菓子を売ってきました。

商売はそれなりに上手くいっていましたが、リーマン・ショックなどの経済危機を迎え、観光客は減りました。商売にも当然、影響します。経営者であるMさんは悩みました。そしてある人を介して私と知り合いました。

Mさんはとても真面目な方でした。「なんとかしなければ」という思いが強く感じられました。一方で人の気持ちがわかりすぎる人でもありました。そん な時はややうつむき加減に話をするのも特徴的だと思いました。そんなMさんの日常業務の様子を聞くと、こんなこともあったと話してくださいました。

「いま一人、困ったおじさんがいます。近所のおじさんの話です。ウチの商売を心配してくれていろいろアドバイスをくれます。最初はありがたかったの ですが、だんだんそれが押し付けっぽくなってきました。“わかりました。もう大丈夫ですから”“もう来ていただかなくても大丈夫です”と言っても、次の日 にはまたアドバイスに来るのです。そんな事がもうずっと続いています」

うーん、これは一種のコンサルティングの押し売り?でしょうか。しかし、そんな冗談も通じないくらい、Mさんはうんざりした様子で困っていました。表情がみるみる暗くなっていきました。

私は気の毒になって、たずねました。「もうわかったから来なくていいと言っているのに、なぜ、その人はくるんでしょうかね?」Mさんは、それがわからないという感じでした。私は正直な感想を言いました。

「Mさん自身がもっと自信をもって対応しないと、その人はこれからも来るでしょうね。特に深刻な顔をして、自信なさげに、口で“もういいです”というだけでは不十分です」

メラビアンの法則というのをご存知かと思います。「言葉、話し方、話す時の態度、この3つが矛盾した時、ひとは言葉よりも話し方、話し方よりも話す 時の表情や動作などを優先して解釈する」というものです。よって口でどれほど「もう結構」と言っても、その話し方や態度が自信なさげや暗いものだと、その ようには伝わらないのです。

Mさんにその場でアドバイスしたことは「日頃から、もっと笑うこと。もっと大きな声で話すこと。もっと堂々と胸を張ること」でした。そして15分ほ ど、そのような練習をしました。そして言いました。「これは訓練です。やっているうちに本当にそういう自分になれます。練習だと思って、毎日、意識してそ のように過ごして下さい」

セッションから3日後、Mさんから連絡がありました。「おじさんが来なくなりました。その代わりにお客さんが来るようになりました!」私は笑ってし まうくらい、Mさんと喜びました。たった3日でもそれを実行したMさんを誇りに思いました。そしてある一つのことに気付きました。

明るく元気に生きること。
ビジネスで優れた戦略を実行することも大事だけれど、もっと大事なのは「明るく元気に仕事に向かうこと」だと。日頃から笑い声と大きな声と、堂々とした態 度で目の前の仕事や周囲の人たち、お客様に向かうこと。これが仕事を成功させる秘訣なのです。小難しいことを眉間にシワを寄せて考えるよりも、明るく元気 に目の前の仕事に向かうほうが、よっぽど成功できます。人はそういう人のそばにいたいと思うものだし、そういう人こそ本当に人を幸せに出来るからでしょ う。

年別バックナンバー

資料請求・ご相談はこちら ▶

bmwin

『ブランド戦略をゼロベースで見直す!』
ご相談、お問い合わせはこちらから▶