ブランドが地に堕ちていくのは

配信日:2013年6月3日

最近はブラック企業という言葉があるそうですが、恐ろしいですね。笑

そもそもネーミングが怖い。私はそのような企業とお付き合いがないので、よくわかりません。それが実態以上に恐ろしく感じるのかもしれません。人間はよくわからないものに恐怖心を抱くものです。

先日、ある人が有名な百貨店の企画部に契約社員として入社が決まったと喜んでいました。「ウェディングの企画が仕事です」とおっしゃっていました。人を幸せにする職場。人の幸せを毎日のように感じる職場。素晴らしいと思いませんか?「ウェディング・プランナーの勉強もこれから始めます」そんなふうに言っていました。

入社から3週間後。こんなことをおっしゃっていました。「職場の人達に余裕がなくて、いつも誰かが怒っています。ウェディングの仕事をしているとは思えないくらい雰囲気が悪いのです」私はびっくりしました。そしてあの恐ろしい言葉が出て来ました。

「正直、ブラック企業なんです。見ていると本当に言葉遣いや誰かにモノを頼む時の態度も悪い。社員にやさしくない会社がお客さんに優しくなんて出来ないと思います。ましてやウェディングの部署でこれです。上司にも相談しましたが、的外れなことしか言ってくれません。その上、みんながいる前で私の席に来て、その後、様子はいかがですかと尋ねていきます。話せませんよね。デリカシーがない。このままではこちらまでやられてしまうので、辞めることにします」

この会社は世の中的には優良企業と思われています。またこの方の評価が会社そのものの評価でないことも分かっています。なので、本当にブラックかどうかはわかりませんが、この方にとってこの百貨店ブランドが地に堕ちたことだけは確かでしょう。外から希望を持って入社した「フレッシュな目」にこんなふうに映ってしまうとしたら、ちょっと残念じゃないですか?

ブラック企業とレッテルを貼られる会社は、実は無意識のうちにブラッキーなことをやってしまっているのではないかと思いました。誰が意図的に社員を精神的に追い詰めて退職に追い込んだりするのでしょうか?そんなことを公然と部下に指示する上司がいるとも思えません。いつのまにか知らないうちにエスカレートしてしまう傾向があり、やがてそれがその会社の常識になった時に、世間からブラックと言われるようになるのかもしれません。

私たちも矜持を正す思いではないでしょうか?人間も企業もその人の世界観に照らしあわせれば誰も間違ったことはしていない。それにもかかわらず、ブランドが地に堕ちていくのは客観性を失うからではないかと思います。誰かの(例えば新規契約社員の)意見や感覚を素直に取り込めない。

私の見たところ、成功する人間とは素直で謙虚です。他人からのアドバイスを素直に聞き、すぐに実行します。時には上手くいかないこともありますが、それすら成功へのプロセスだと直感しています。だから上手く行ったかどうかのモノサシを予め持っていて、その検証を怠らない。

もっと言うならWhy wait?(すぐにやろうよ)が信条で、すぐに取り組む素直さもあります。そして早い段階で失敗しそこから学び、次のステップへ進む。その時にやはり、他人からの客観的な意見も貪欲に聞きます。だから他人よりも早く確実に成功します。自分のビジネスのクセや方法を研究して、そのマスターになるのですね。ちょっと話が逸れましたが、素直で謙虚に自分を見つめ実行・修正すること。そのような態度こそが矜持を正すことでもあると思います。

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