何かになりたいの本質は?
配信日:2012年8月15日
私は子供の頃に「漫画家になりたい」と思っていました。
みなさんは子供の頃の夢ってどんなものでしたでしょうか?
そのような夢を持ったきっかけはなんでしょう?
私の場合はマンガが好きだったからです。そのまんまの理由ですが、子供の夢とはそういうものでしょう。
プロ野球やサッカーの選手になりたがる子供は多いですね。そのような子がお金儲けのために野球選手を望んでいるとは、ちょっと考えづらいのです。プロ野球選手になりたい目的はもっと別の所にあります。
我々大人の仕事でも同じではないかと思います。確かに「お金が儲かるから」という動機で商売をはじめる人は多いですし自然なことだと思います。しかしお金儲けだけを目的に商売を始めてもうまくいくわけがありません。
もっと言うならば、人が何かになりたいと思うのは別の目的があるように思うのです。
私のクライアントさんで大規模なチャリティ・マラソンを企画運営しているNPO法人があります。彼らを見ていると「人は稼ぐという目的以上に何か別の目的を持って仕事に当たるのだな」と実感します。事実、代表幹部の方々はご自身の仕事を別で持ち成功されています。お金以外の目的がそこにはあります。
このNPO法人の目的は「わかちあう感動」と「喜ばれる喜び」です。
『誰かに何かをしたら、喜んでもらえた。その喜んでいる姿を見ていたら自分もうれしくて、喜んでいた。世界の子どもたちのためになることをするのは、難しいことではありません。ただ、海の向こうにいる子どもたちの喜ぶ顔が見たい、それだけのこと。そして、子どもたちの喜んだ顔のおかげで、自分も喜ぶことができる。多くの声援によってランナーが元気になる姿を見たときの喜び。誰かのために何かをすることで、誰かを笑顔にすることができる。 そんな笑顔を見たときの喜びは何ものにもかえられません。私たちは「喜ばれる喜び」を大切にする大会です』(同ホームページより)
このNPO法人さんの言葉と、子供の野球選手になる夢を掛けあわせてみると、私はひとつの結論にたどり着きました。「ひとは"ここちよい感情"を求めて何かになることを決めるのだ」
子供が野球選手になりたがるのは、大好きな野球を毎日やれて、多くの人から応援されて、ヒーローそのものの気分を味わえるから。要はここちよい感情を生み出すからです。
NPO法人さんも「誰かのために何かをすることで、誰かを笑顔にすることができる。 そんな笑顔を見たときの喜びは何ものにもかえられません」つまりこれがここちよい感情なのだと思います。
きっとお金持ちになることが目的の人も、それを通じて「ここちよい感情」を求めているのでしょう。「お金持ちになればなんの心配もなく不安もなく、好きな時に旅行に行けて・・・」というように。つまりお金持ちになることは目的ではなく手段であって、本当の目的は「安心」「自由」などのここちよい感情なのだと思います。
実は幸福感の達成とはここちよい感情の達成なのではないか?もちろんここには経済的な達成感が含まれていても何の問題もありません。何をここちよいと思うかは人それぞれです。
ここちよいと思えるものは継続しやすいですし、それが何かをわかっていれば落ち込んだ時のモチベーションにもなるでしょう。あのここちよさを求めてもう一度頑張ろうと思える。またそれをイメージングできれば何かを達成することもそんなに難しくありません。アファメーションの一種でもあります。ポイントはここちよさをじんわり感じる(浸る)ことです。その感情こそが引き寄せの原動力になります。
日頃の仕事でもそうです。プロジェクトに取り組む前は「ここちよい感情」を意識的に抱いてはどうでしょうか?まずは達成した時の感情にじんわり浸ってみるのです。成功の確率がぐっと高まります。