努力逆転の法則

配信日:2012年7月4日

ものすごく疲れているのに、夜、眠れないという経験は誰もがあると思います。そんな時に限って「眠ろう、眠ろう」としますね。しかしそう思えば思うほど、目が冴えてしまう。このジレンマは誰もが経験していることでしょう。

人によって対処方法はいくつかあるようです。難しい本を開くとか、「もう眠い」と思い込もうとするとか・・・。私の場合は眠ることを放棄します。「よーし、今日は絶対に眠らないぞ」と元気いっぱい、こころを決めます。すると、いつの間にか眠ってしまうことが多いのですね。

ビジネスでもこういうことってありませんか?
「今年は幾らいくらの売上を達成する」と年初に決めて意気揚々、仕事を始めるのですが、気づくとなかなか思うようにならない自分がいる。もともと無理な目標だったのか市場環境が影響しているのかと考えを巡らせるわけです。

頑張っているのにそのようにならない現実が出現すること。心理学では「努力逆転の法則」といいます。簡単にいうと「眠ろう」という努力は「自分は眠れない」という潜在意識に支えられていて、その潜在意識は「眠れない自分」を現実化させるというもの。「売上を達成しよう」という考えは「売上は達成されていない」という認識に支えられていて、だから潜在意識は「達成されていない売上」を現実化するというものです。努力が逆転してしまう。なんとも皮肉な理論だと思います。

だからといって「努力などむなしい」というつもりはないのです。売上を達成しようと思えば人並みに計画を立て行動を起こすことは当然のこと。そう、行動が大事です。自己研鑚をはかることの重要性はいまさら言うまでもありません。

しかし、もしそうした努力をきちっとしているのになかなかうまく行かない現実があるとしたら、それは努力逆転の法則かもしれません。よって、私が言いたいのは「努力後の話」です。

努力逆転の法則を回避するにはどうしたらよいか?

よく成功哲学の本などでアファメーションの効果が挙げられています。アファメーションも正しく行わないと努力逆転に陥ります。「私は◯◯になりたい」という願い方では結局、「なりたがっている自分」が現実化します。そこで「私は◯◯である」と、すでになったかのように、断定的なアファメーションをするのが良いと教えられる。しかし「私は◯◯である」と断定的に言っても、そうならないことが多いものです。

この6~7年、私自身、どれほど「ポジティブで正しい方法に基づくアファメーション」に失望してきたことか・・・。そしてそのたびに「あぁ、アファメーションをしている僕そのものが既に何かになりたがっている自分を作り上げているのだ」と苦笑してきたことか。「すでになったかのように」というアファメーションそのものが「まだなっていない」という潜在意識への刷り込みを行なってしまっていたのですね。

何かを達成するのに意志の力では限界がある。強固な意志と努力の先には努力逆転の法則が待ち受けている・・・。

努力逆転の法則を回避するには「イメージの力を使うこと」だと、いまでは思います。

例えば、笑えといわれて笑おうとすると顔がこわばります。去年、私のホームページを作るためにカメラマンに写真を撮ってもらいました。現場では緊張気味の私にカメラマンさんが「もっと笑って下さい」と言いました。そして笑い顔にしようと頑張りました。しかしそうすればするほど、作り笑いをしてしまう自分を実感しました(笑)。まさしく努力が逆転している状態です。

そこでカメラマンさんから「仕事で面白かった話をして下さい」と言われました。すると面白かったエピソードが頭の中に溢れだし自然な笑い顔になりました。これがイメージングの効果です。面白かった話を思い出せと言われれば、自然と笑いがこみ上げてくる。笑顔を作ろうと努力する必要がないのです。

つまりイメージすることそのものはアファメーションよりも優れているのではないか?いや、アファメーションも結局はイメージングにほかならないのでしょう。もし何かになりたいとか、売上を達成したいと思ったら、それをやった時の情景をイメージすること。かつその時の快感をじんわり味わうことが効果的ではないかと思います。

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