三学期にモテる子を目指せ
配信日:2012年4月11日
長男が4月から中学二年になりました。
去年、中学受験をして辛くも合格。小学校の友達とは別の、慣れない環境での中学生活を始めましたが、はや一年経ったのかと感慨深いものがあります。
日曜日に一緒に夕飯を食べながら、今度はどの友達と一緒のクラスになったかと聞きました。「誰と誰と誰と・・が一緒のクラスだよ」
「Tさんは一緒じゃないのか?」Tさんというのは息子が入学した時にクラスの男子全員が憧れていた女の子です。多分、息子も好きだったに違いない。
入学当時、そのクラス中の憧れの子が、なんと、よりにもよってウチの息子のことが好きらしいという話を聞いて、私は天にも昇る思いでした。「小学校では誰からもまったく相手にされず、まるっきり無視され続けたのに、ようやく息子の価値を認めてくれる女の子が現れた」「苦労して受験した甲斐があったなぁ」息子もまんざらでもない様子でした。
しかしその後、話は一転。息子がTさんに「一緒に帰ろうよ」と下校デートを申し込んだところ、あっさり言われてしまったのです。「それはまずいんじゃない?だってワタシ、好きな人がいるもーん」
ガクッーーーーーーーー。
息子と同等か、それ以上に私も落ち込みました。あのウワサは何だったのか?あれは単なるガセだったのか(笑)?
で、Tさんは一緒のクラスになったかどうかですが、そうではないようです。下校デートの一件以来、息子はTさんに対する興味を失ったようで、それ以上はなにも言いませんでした。
大人の世界同様、子供の世界というのも色々とあります。
モテモテのTさんでしたが、聞いたところによると、入学早々あまりにも男子からモテ過ぎたために、女子全員からいじめの対象になってしまったとのこと。どんな世界でもあることかもしれません。
Tさんがそうだというわけではないですが、一学期にモテる子というのはブランドで言えば「画期的なコンセプト」と「席巻的なマーケティング」で登場早々に人気を得る新製品のようなものです。どのマーケターも一度はそういう体験をしてみたいと考えている。一度でいいからそういう華々しいマーケティングをしてみたい。
しかし最近ではそのようなケースは非常に少ないのではないでしょうか?市場には似たような製品が溢れているし、消費者は必ずしも新しいものを求めているとも思えないのです。
再び息子に聞きました。「最近はどの女の子が人気なの?」
言葉を濁してしゃべりません。まぁそういう年頃なので仕方ない。聞いた私が悪かった。
「最近はFさんが人気なんだよ」10歳になる娘が教えてくれました。「おい、お前、黙ってろよ」という息子を振りきって「あのね、この子がFさん」と、息子のサマーキャンプの写真まで取り出して見せてくれました。やはり女の子は子供の頃からオンナであって、日頃のゴシップには事欠きません(笑)。
Fさんは三学期になって人気者になった子です。写真で見たかんじでは、決してTさんのような美人タイプではない。しかし性格の良さが顔に出ているというか、「いい子」という表現がぴったりです。
三学期にモテる子というのは、決して派手さはないけれど1年間一緒にいて「あいつ、いいやつだよね」と周りに認められた子です。
ブランドで言うとじわじわと売上が伸びていくタイプ。地味な印象なのにファンが増えていくタイプです。一学期にモテる新製品はなかなか難しいですが、こちらのタイプなら可能性があるように思います。
三学期にモテる子になるためには何が必要か?
子供の世界を見ていても分かるように、それは「友人としての好ましさ」です。企業で言えばお客様を「売る相手」である以上に、あたかも友人として「まっとうな人間関係」を築く姿勢を示していくことだと思います。製品は良いに越したことはないですが、それ以上にお客様は企業の姿勢や生き様を見ているのです。