外国人観光客にもっと日本を楽しんでもらうには?

配信日:2016年03月17日

日本政府観光局によると2015年の年間訪日外国人数は1974万人。昨年対比では47%の伸長でした。いまや街を歩けば英語、中国語は普通に耳に入るし、なによりも街自体が観光地化していることを実感します。

「YOUは何しに日本へ?」などという番組を見ていても思うのは、外国人の日本語能力が決して低くないことですね。彼らは日本が好きだし、ラーメンも大好き。日本語もそんな日本の一部として愛してくれているように思います。私の日常でも、例えばレストランなどで食事をしていて、隣の席に外国人と日本人が普通に食事を楽しんでいる光景も珍しくありません。そこでは外国人が日本語で会話する姿も見ることが出来ます。ちょっと前は日本人が英語をしゃべるのが普通だった。だから、そんな光景を見て、私は密かに日本人としての嬉しさを感じています。

先日、銀座三越の8Fにある免税店、ジャパン・デューティフリーに行ってきました。まだ「爆買い」なるものを実際に見たことのない私は、実際にこの目で見ようと思っていました。しかし、時間帯が悪かったのか、店内にはお客はまばら。挙句の果ては日本人の店員さんから中国語で話しかけられ、「日本語で大丈夫です」と言うと「日本語がお上手ですね」と返され、苦笑しました。残念ながら爆買いの現場は見られませんでしたが、このような店舗の出現も世界との距離がほとんどなくなっている現実でもあります。

たくさんの外国人が日本にやってくることはマイナス面もあります。出張の時のホテルの値段が高騰していることに困っている方も多いのではないでしょうか?私もそんな一人です。これも外国人観光客と関係がありますね。いまホテル業界はバブル到来で、一般のビジネス・ホテルですらブランディングなどという言葉を使い始めています。しかし本当に必要なのは単純に部屋数で、ここに民泊市場の可能性を見つけるわけです。

今後、日本はもっと観光立国になっていくのだろうなと思います。いまはまだ東京、京都、大阪、広島くらいを観光ツアーで回れば満足かもしれない。しかしやがて何度もリピートするうちに、ありきたりの観光コースに飽きるでしょうし、当然、中国方面からの観光客も買い物ツアーから「もっと価値ある体験をするツアー」にスタイルが変わっていくでしょう。

その時に私が不十分に思うのは、特に地方での「お金を払うに足るリゾート」がないことです。もっと言うならば大人のリゾートが不足していると思っています。海外のリゾートに行ったことがある人にはよくわかるでしょう。地中海沿岸の南ヨーロッパ、カリブ海エリアやアジア諸国でも、やはり世界中の「大人」がわざわざ来るだけの価値あるリゾートがあるものですが、そういうものが日本には少ないように思います。ましてや温泉街やスキー場はなおさらで、こんなに外国人が日本を楽しみたがっているのに景気はイマイチです。

やはり重要なのは「価値あるリゾート」「日本らしさを感じられるリゾート」ではないでしょうか。リピーターに「もう日本は飽きたよ」と言われないだけのビジョンと投資が必要です。そんな課題が解決したら、きっと日本人の大人ももっと日本を楽しめると思います。

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